グジバチ:グーグルにも「20%ルール」というのがあります。あれと同じですか。

井手:そうだと思います。「こういう課題があります。誰か手伝ってください」と誰かが声をかけると、「それ興味があるからやりたい」とバーッと手があがる。そういう社内の雰囲気があるんですね。この間お台場でやった5000人規模のファンイベントにも、本社と醸造所のある長野県から100人くらいが「20%」でかけつけて手伝っていました。人によってはそうしたプロジェクトを複数かけ持ちでやっています。そうすると、いろんなチームのメンバーと仕事をすることになって、必然的にコミュニケーションが複雑に、多方面になる。なので、縦割りになりようがないというわけです。

グジバチ:小さい会社だからできるという面はありますか。大手日系企業だと、相変わらずフラットではなくて、すごく縦割りの組織になっています。

井手:世界何万人というグーグルさんでもアップルさんでも、フラットなコミュニケーションを維持できていますよね。なおかつ、独創的な商品を出し続けている。経営層がちゃんと意識して、そういうカルチャーを根付かせる仕組みづくりにとても力を入れているからでしょう。弊社でも20人から現在の140人に社員が増える中でさまざまな問題が出てきて、でもそれをその都度クリアしてきました。いわば進化しているわけです。グーグルやアップルにできているなら、大きくなったヤッホーブルーイングにもできないわけがないと思います。

グジバチ:本当にそうですよね。ヤッホーさんにできて、ほかの日系企業にできないはずがありません。フラットな楽しいチームづくりをして、社会に貢献するビジネスをしていれば、自ずと業績も伸びるはずです。プロノイアでも毎週金曜日に行われるTPIF(※)で「よなよなエール」を飲みながら、チーム「ビール」ディングを楽しんでおります! これからも、この精神で、お互いに頑張っていきましょう。

※Thanks Pronoia It’s Fridayの略で、もとは「TGIF/Thanks God, It’s Friday(ありがとう神様、今日は金曜日だ)」。グーグルでは「TGIF/Thanks Google It’s Friday」と呼ばれている。