得点王に輝いた名古屋グランパスのジョー(写真:getty Images)
得点王に輝いた名古屋グランパスのジョー(写真:getty Images)

 2018年のJリーグは前年にギリギリのところで残留したサンフレッチェ広島がロケットスタートに成功し、まさかの首位独走。しかし気がつけば、川崎フロンターレが攻守に圧倒的な強さを見せて先頭を走り、連覇を遂げた。一方で、残留争いは熾烈を極め、例年にない高い勝ち点水準で多くのクラブに降格の可能性が残り、最後の最後まで結末の読めない手に汗握る展開となった。そんな白熱の一年となった今季の選手のパフォーマンスを各ポジション別に振り返り、格付けを行った。今回は「MF・FW編」をお届けする。

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【守備的MF】
1位:大島僚太(川崎フロンターレ)

 ボランチから攻撃の起点として、多くのチャンスを生み出した。2得点4アシストという数字以上のインパクトがあったが、第30節ヴィッセル神戸戦でのバイタルエリアのスペースに入り込んでの小林悠との鮮やかなワンツーからのゴールは、今季J1を代表するゴラッソの1つ。大島が中盤でボールを動かし、またオフ・ザ・ボールでも効果的にディフェンスを引きつけることで崩しの布石を敷いたが、同時にディフェンスのバランスワークも見事で、機動力に溢れる守田と名コンビを形成した。終盤戦の怪我は残念だが来季のさらなる活躍に期待だ。

2位:三竿健斗(鹿島アントラーズ)

 中盤のディフェンス力はJ随一だろう。要所を外さないポジショニングからボールを奪い次の攻撃につなげたかと思えば、押し込まれればCBの手前で攻撃をはね返した。レオ・シルバが動的に次々とチャンスに絡む一方で攻め上がりが抑え気味だったが、セカンドボールから相手のカウンターの芽を積み、鹿島の二次攻撃につなげる働きも大きい。ACLでの働きも絶大だった。

3位:守田英正(川崎フロンターレ)

 連覇を果たした川崎で大卒ルーキーながら、中盤のレギュラーに定着し、優勝に大きく貢献したことは今季における驚きの1つだった。機動力と判断力を融合した攻守に渡る万能プレーを発揮。川崎のシュートカウンターによる得点が増えたのも守田の効果が大きい。中村憲剛などチームメートもその成長ぶりに舌を巻いており、日本代表も経験したことで、Jリーグを代表するMFへの足がかりを掴むシーズンとなった。周囲を輝かせることができる“縁の下の力持ち”を心がけるプレーが多いが、そのプレー自体が実に効果的で、逆に目立つところがある。パンチが効いたシュートも魅力だが、ゴールという結果につながればさらに評価は高まる。

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攻撃的MFも王者フロンターレから2選手選出