そんな状況で、貴ノ岩は「どうすればいいのか」「どうして、自分がバッシングの対象なんだ」と悩んでいたという。

 追い打ちをかけるように後ろ盾だった貴乃花親方の引退で、千賀ノ浦部屋への移籍と環境がガラリと変わった。

「貴ノ岩は、16歳で日本に相撲留学して、角界入り。モンゴルで両親がいない中、貴乃花親方と景子夫人が親代わりでした。だから、部屋の移籍もですが、貴乃花親方夫妻の離婚に一番、ショックを受けていた。貴乃花親方夫妻の様子がおかしいことは思っていたが、『本当なのかよ』と一番ビックリしていたのが貴ノ岩。目がうつろで涙を浮かべていた。それに離婚がわかったのが九州場所に入ってからだったのも、影響したと思います。九州場所の相撲を見ていても終盤、どこか切れてしまい、覇気のない土俵が続いていた。それが場所後の巡業で酔っ払い、暴行というかっこうになってしまったのかと思います。殴られた弟子は翌日、顔を大きく腫らせて、人目で殴られたことがわかる状態。まずいと本人も思ったそうですが『おさえることができなかった』と話していたそうです」(前出・関係者)

 12月7日、引退の会見で「もう一度、新弟子に戻りたい」と語った貴ノ岩。

 その言葉の裏側には、もう一度、貴乃花親方夫妻のもとで相撲をとりたいとの思いがあったのかもしれない。(取材班)