JUJUのジャズも3枚目となり、リスナーに定着してきた。1年に1度のペースでジャズクラブ、ブルーノート東京でジャズのショーも行い、ホールツアーでもジャズコーナーを設けている
JUJUのジャズも3枚目となり、リスナーに定着してきた。1年に1度のペースでジャズクラブ、ブルーノート東京でジャズのショーも行い、ホールツアーでもジャズコーナーを設けている
12月5日にリリースされる『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』(ソニー・ミュージック)。12曲のジャズに加えて、オリジナル曲「Remember(The Good Times)」と、作詞・松尾潔と作曲・小林武史による新曲「メトロ」を収録。小林の音づくりもジャズのテイスト
12月5日にリリースされる『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』(ソニー・ミュージック)。12曲のジャズに加えて、オリジナル曲「Remember(The Good Times)」と、作詞・松尾潔と作曲・小林武史による新曲「メトロ」を収録。小林の音づくりもジャズのテイスト

「死ぬまでにジャズをちゃんと歌えるようになりたい」

【写真】スヌーピーとコラボしたニューアルバム『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』のジャケットはこちら

 デビュー前から、JUJUは思い続けてきた。その願いへの第一歩が2011年にリリースしたジャズアルバム『DELICIOUS』。コール・ポーターの「You’d Be So Nice To Come Home To」や「Night And Day」などジャズのスタンダードナンバーをレコーディングした。

「初めての試みだったので、わかりやすさを大切にしました。だから、『You’d Be So Nice To Come Home To』も、世界でもっともメジャーな、ヘレン・メリルが歌ったテイクに近いアレンジでやらせていただきました」

 2014年には2枚目のジャズアルバム『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 2nd Dish~』をリリース。ジョージ・ガーシュウインの「Summertime」やエロール・ガーナーの「Misty」などやはりスタンダードを中心に歌った。このときは、日野皓正や菊池成孔など、ジャズの腕利きも参加している。そして、12月5日に、3枚目のジャズアルバム『DELICIOUS ~JUJU’s JAZZ 3rd Dish~』を発表する。

「今作はバート・ハワードの『Fly Me To The Moon』やバート・バカラックの『Walk On By』などスタンダードに加え、映画音楽やロック系のミュージシャンの曲もジャズアレンジでレコーディングしました。ロバート・デ・ニーロが主演した『New York New York』のテーマや『サウンド・オブ・ミュージック』でジュリー・アンドリュースが歌った『My Favorite Things』。そして、スティングの『Englishman In New York』を久保田利伸さんとデュエットしています」

 アルバム全体でニューヨークを強く意識したという。

「ニューヨークで、私がシンガーの“JUJU”になったからです。ニューヨークに行かなければ、シンガーになっていなかったし、JUJUにもなっていませんでしたから」

 2000年、ニューヨークのマンハッタン。デビューを間近にしていた彼女は家路を急いでいた。翌日にはシンガー名を決めなくてはいけない。しかし、アイディアは浮かばなかった。

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神舘和典

神舘和典

1962年東京生まれ。音楽ライター。ジャズ、ロック、Jポップからクラシックまでクラシックまで膨大な数のアーティストをインタビューしてきた。『新書で入門ジャズの鉄板50枚+α』『音楽ライターが、書けなかった話』(以上新潮新書)『25人の偉大なるジャズメンが語る名盤・名言・名演奏』(幻冬舎新書)など著書多数。「文春トークライヴ」(文藝春秋)をはじめ音楽イベントのMCも行う。

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