カリスマ社長の常識破りな社員教育 「能力」より大切ものとは? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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カリスマ社長の常識破りな社員教育 「能力」より大切ものとは?

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小山昇社長

小山昇社長

 武蔵野では、「経営計画発表会」「政策勉強会」「環境整備」「早朝勉強会」「バスウォッチング」「武蔵野ガイダンス」「全社員勉強会」「実行計画書アセスメント」など、形を揃えるための社員教育(価値観を揃える教育)に注力しています。

 ところが、社員教育を受けるのは、社員からしたら面倒なことです。私が「勉強をしろ」と言うと、わが社の社員は、大きな声で「はい」と返事をします。社員の「はい」は、「勉強します」の意味ではありません。「聞こえました」の意味です。私の声が聞こえたからといって、勉強するわけではありません。

 人間は自分に甘く、自主的には勉強しません。そこで私は、社員の鼻先にニンジンをぶら下げました。勉強をした社員に「お駄賃」をあげているのです。

 朝7時30分からの「早朝勉強会」に参加すると、研修残業は1時間で最低賃金×1.25計算で支給し、さらに「1回500円」のスタンプがもらえる。すると社員は、「勉強はしたくないけど、お金がもらえるのなら、行ってもいいか」とお金に釣られて勉強をはじめます。

 早朝勉強会の参加は自由ですが、参加した回数を人事評価に連動させています。「半期に20回出席」しないと、「方針共有点」(価値観を共有するための勉強会にどれだけ参加したか)が下がり、賞与が減ります。賞与が減るのは嫌だから、しかたなく勉強します。

「勉強して自分を成長させたい」と前向きな動機ではなく、「お金がほしい」の不純な動機から、「嫌々ながら」「しかたなく」「面倒だと思いながら」も、頑張ろうと思う。これが人間の心理です。

 不純な動機でも数をこなして勉強会に参加すれば、いつの間にか、会社の文化が毛穴から浸透し、価値観が揃います。

 強い組織をつくるには「均一である」=「全員が同じ価値観を持つ」ことが不可欠です。能力のある社員を集めても、価値観が揃っていなければ、組織はバラバラになる。社長の方針に従えない人は、能力がどれほど高くても、戦力になりません。

 わが社には、大卒だけでなく、高卒や中卒の社員もいますし、元暴走族の社員もいますが、全員が、小山昇と同じように考え、同じように行動することができる。だから武蔵野は強いのです。(取材・構成/藤吉豊)


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