チームがそれをさせるかどうかですね。来シーズンに打者としての成績が振るわなければ「2020年は投手でやろう」となるでしょう。それがもし、打者として首位打者や本塁打王をとるような成績を残してしまったら、どうするのか。大谷が「次は投手でやりたい」と考えても、チーム首脳陣は相当迷うでしょう。

 その年によって投手か打者かわからないような選手がいると、チームの編成は大変です。二刀流の大谷は、話題性があり、客集めにはつながりますが、監督としては使いづらいというのが本音でしょう。

──まだ24歳で、さらなる活躍を楽しみにしているファンも多いと思います。

 誤解しないでほしいのは、私は二刀流に反対しているわけではない、ということです。二刀流を続ける限り、ケガのリスクが高まり、規定投球回と規定打席数になかなか達しない事実を話しているだけです。

 年齢的にこれから体が固まってきて、野球選手としてのピークに向かっていく。さきほど話したように、大谷はメジャーでも投打で通用することはわかった。しかし、普通の野球ファンは大谷の持つ素晴らしい素質に「希望」を感じて応援しますが、球界では「結果」としての成績で評価されます。だからこそ、2019年は“1シーズンを通じて”どれだけの成績を残せるか。大谷の真価が試される年になります。

(聞き手/AERA dot.編集部・西岡千史)