英語の受験にあたっては、20~23年度は「共通テスト」、民間試験の両方が用意され、各大学でいずれかまたは双方を利用できることとなった。

 ところで「共通テスト」では、国語の論述問題の採点方法、英語の民間試験の活用が問題になっている。論述問題の採点および自己採点はどこまで合理的にできるのか。英語の4技能は民間試験でどこまで測れるのか――といった議論がある。

 なかでも英語における民間試験の活用をめぐり、大学によって判断が揺らいでいる。18年9月、東京大学は、受験生に民間試験の成績提出を義務づけないという方針を出した。

 もともと英語教育の専門家からは民間試験の導入について、大学教育に合わないとする意見が根強くあった。具体的には、試験内容が異なるため難易度に差が出て、それを同じ合格基準点で測ることで試験によって有利不利が生じフェアではないこと。また、民間試験で高得点を取るために予備校に通うことになれば、予備校がない地方の受験生や予備校に通えない低所得者層は不利になる、などの理由だ。

 東京大の方針は他大学に大きな影響を与えるとみられており、「共通テスト」の船出はすんなりと行きそうにもない。

■入試改革に先駆けたユニークなAO入試

 一方、「個別入試」では、現在の2次試験のような学力を重視する内容から、学力では測れない能力や姿勢を引き出す内容に変わりそうだ。そのために、多くの大学で調査書、志望理由書、学習計画書などの提出や、小論文、面接、プレゼンテーションを課すことなどが検討されている。

 こうした入試選考方法については、すでに大学ごとに実施されている推薦入試、AO入試などを参考にするとイメージしやすいだろう。

 例えば、京都大学は「特色入試」を行い、文字どおり、特色がある学生を求めている。キャッチフレーズは「意欲買います」。

 高校で学んできたなかで、どのような取り組みでいかなる成果を得られたか。大学のカリキュラムや教育に適合する力があるかどうかを判定するのがねらいで、能力、意欲、適性、志を多面的に評価する試験だ。

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どのような人材が求められているのか