「共働き世帯=保育園」という構図は崩れつつある(※写真はイメージ)
「共働き世帯=保育園」という構図は崩れつつある(※写真はイメージ)

 多くの自治体で11月から認可保育園の申込みが始まり、保活は最終局面を迎えようとしている。特に待機児童が多い都市部では、預け先を確保することが優先されがちで、子どもにとってより良い環境を選んであげたいという願いが叶わないことも多い。かたや幼稚園では、広い園庭と多様なカリキュラムが用意され、共働きの親からも「幼稚園に入れたい」という声も聞こえてくる。

 実際に、預かり保育を実施する幼稚園は急増し、「共働き=保育園」という構図は崩れつつある。文部科学省の調査によると、1997年には全体で3割未満だったのが、2016年6月の時点で私立幼稚園の96.5%、公立幼稚園で66%まで増加。そして、預かり保育の終了時間は「午後5~6時」が4割、「午後4~5時」と「午後6~7時」がそれぞれ2割。夏と春、冬の長期休暇中も実施している幼稚園が6割を超える。つまり、フルタイム共働きの家庭でも、どちらかが時短勤務や残業がない職場だったり、職場から園までの移動時間が短いなどの条件に当てはまれば、幼稚園に通うこともできそうだ。

 さらに、幼稚園の預かり保育は来年10月からの無償化の対象になり(幼稚園保育料の無償化上限額を含め月3.7万円まで)、今後も導入する園は広がっていくと見られている。共働き世帯が幼稚園を選ぶとき、注意すべきことはどこにあるのだろうか。

「いま一口に保育園、幼稚園、認定こども園といっても、運営者の考えや使っている補助金によっても多様です。共働きであっても、一度枠を取り払って検討するのもいいのではないかと思います」

 そう話すのは、「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんだ。働く親たちのネットワークで、2001年から自治体の保育力充実度を独自に調査して発信してきたが、近年、感じるのは幼稚園の変化だ。特に地方では、少子化の影響で園児が少なくなり、生き残りをかけて認定こども園に移行したり、預かり保育を充実させたり、自治体も含めて積極的な姿勢が見えるという。

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都市部の幼稚園は「母性神話」強いことも…