秀島史香(ひでしま・ふみか)/10代をアメリカで過ごしたバイリンガル。FM局のDJ、TV・CMのナレーション、通訳や字幕翻訳、コラムや音楽レビューなどの執筆で活躍中。ジャネット・ジャクソンなど多くの海外アーティストやNHKK総合「安室奈美恵 告白」のインタビュアーも務めた。著書に『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』(朝日新聞出版)
秀島史香(ひでしま・ふみか)/10代をアメリカで過ごしたバイリンガル。FM局のDJ、TV・CMのナレーション、通訳や字幕翻訳、コラムや音楽レビューなどの執筆で活躍中。ジャネット・ジャクソンなど多くの海外アーティストやNHKK総合「安室奈美恵 告白」のインタビュアーも務めた。著書に『いい空気を一瞬でつくる 誰とでも会話がはずむ42の法則』(朝日新聞出版)

 英語上級者でも、雑談が苦手な人は多い。10代をアメリカで過ごしたバイリンガルで、ラジオDJとして活躍中の秀島史香さんに、「AERA English 2018 Autumn & Winter」(朝日新聞出版)で、英話で会話が弾むコツを聞いた。

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 バスを待つ、列に並ぶ、乗り物で隣に座る、エレベーターで一緒になる、レストランやお店に入る、ホテルでチェックインをする……。こんなシチュエーションで、目が合うとにっこり。知らない人とも、あいさつやちょっとした会話をする。海外でよくある光景ですね。

 英語でsmall talkと言われる雑談は大切な役割を果たしています。見ず知らずの人同士が、雑談によって警戒心を解き、互いに安心、安全と感じられるからです。さらに、会話によって楽しく、心地よい時間を過ごすことができます。

 ホテルやレストラン、お店で、笑顔であいさつや言葉を交わすだけで、サービスがグッとよくなることもあります。お互いをより尊重できるからでしょう。

 たとえば、レストランで店員さんに、

What is your personal favorite?
(あなたの個人的なオススメは何?)

 と聞いてみれば、喜んで教えてくれるでしょう。隣のテーブルの人に、

Excuse me, what are you having?
(すみません、何を食べていらっしゃるんですか?)

 と尋ねたら、会話が始まるかもしれません。

 日本では知らない人とはあまり話さないことが多いので、なかなか難しいかもしれません。まずは口角を上げるだけでもいい。「この人とは通じ合えそう」という雰囲気を醸しておきましょう。そのうえで、Hi!と言えばスモールトークの始まりです。

■天気や周りの状況… 恐れず気軽に話しかけて

 私もスモールトークのおかげで、旅がかけがえのないものになった経験が数多くあります。

 たとえば、パリとロンドンを結ぶ国際高速鉄道・ユーロスターで、隣り合わせになった女性がいました。彼女は美術関連の仕事をしていたので、私が持っていた歌舞伎のクリアファイルに興味津々でした。それを機に、到着までの2 時間、好きな音楽や映画、オススメの場所などを語り合いました。以後、日本らしいアイテムやキャラクターグッズは「ネタ」になる物として持ち歩いています。

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