ソフトバンクは、16日に博多から空路東上、17日から埼玉・メットライフドームで、西武とのCSファイナルシリーズを戦う。4戦先勝、レギュラーシーズンで優勝した西武には、1勝のアドバンテージがつく。その“不利な状況”は承知の上で、後藤芳光オーナー代行は「こういう形で勝ち残って、所沢に行ける。日本一になる道が残されている。僕たちフロントは本当に感謝しています。今度は打ち負けないと思うし、投手だって、ウチの方がいいかもしれないですね」と、2位からの“下克上”に熱い期待を寄せた。

 負けられない戦いを制した第3戦を「心臓が飛び出るくらい緊張した」と表現した指揮官も、次なる戦いへ向け「日本シリーズに行けるよう頑張ります。明日のことを考えないで戦いたい」。王者ではなく、挑戦者として2年連続日本一を目指す、この秋の戦い。今季のレギュラーシーズンで、3勝9敗という鬼門・メットライフドーム。しかし、“負のデータ”は、もはや過去のこと。事ここに至れば、がむしゃらに、ひたすらに勝利を目指していくだけ―。その雌雄を決する「頂上決戦」が、いよいよ17日午後6時、その火ぶたを切る。(文・喜瀬雅則)

●プロフィール
喜瀬雅則
1967年、神戸生まれの神戸育ち。関西学院大卒。サンケイスポーツ~産経新聞で野球担当22年。その間、阪神、近鉄、オリックス中日、ソフトバンク、アマ野球の担当を歴任。産経夕刊の連載「独立リーグの現状」で2011年度ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。2016年1月、独立L高知のユニークな球団戦略を描いた初著書「牛を飼う球団」(小学館)出版。産経新聞社退社後の2017年8月からフリーのスポーツライターとして野球取材をメーンに活動中。