球団全体で見ると、ソフトバンク年俸総額は47億7392万円で12球団中1位。一方、最下位はCSで対戦する日本ハムで、15億2388万円だ(日本人選手のみ。日本プロ野球選手会調べ)。

 日本ハムは、投打二刀流の大谷翔平がメジャーに移籍。抑えの増井浩俊と捕手の大野奨太もFA移籍した。抜けた戦力の穴は大きく、開幕前はBクラスの可能性が高いと思われていた。

 それが、シーズンが始まると若手投手陣が躍動する。7年目の上沢直之(2400万)が頭角をあらわして11勝をあげると、中継ぎ陣では石川直也(1300万)、井口和朋(1550万)、公文克彦(1730万)、浦野博司(1940万)、の「1000万円プレイヤーカルテット」が全員防御率2点台を達成。少ないリードを逃げ切るパターンを確立した。なお、4人の登板数は合計で176。コストは1登板あたり37万454円だった。

 日本ハムは、年俸1億円以上の日本人選手は中田翔(2億)、西川遥輝(1億6000万)、宮西尚生(1億5000万)の3人しかいない。外国人を含む両チームの年俸ランキングを見ても、上位9人は全員ソフトバンクの選手だ。しかし、中田はキャプテンとしてチームを引っ張り25本塁打に106打点、西川は2年連続の盗塁王、宮西は防御率1.80で37ホールドを記録。高給選手が自分の役割をきちんと果たした。

 一流選手のケガや不調で苦しいシーズンとなったソフトバンクに、若手選手の成長と主力の着実が活躍でAクラス入りした日本ハム。今シーズンの両チームの対戦成績は、日本ハムが13勝12敗で勝ち越している。一方、直接対決ではソフトバンクが終盤戦で7連勝した。給料が高いチームが強いとは限らないのが、プロ野球の面白さでもある。西武への挑戦権を得るのはどちらか。

※推定年俸は『2018プロ野球選手カラー名鑑 保存版』(日刊スポーツマガジン社)から。カッコ内の数字は今季の推定年俸の金額。

(AERA dot.編集部/西岡千史)