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「妻が働きたいと言いだしました」怒る夫に鴻上尚史が伝えた言葉とは?

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 どちらにせよ、奥さんの悩みに対して、鈍感すぎるか注意を払わなくていいと思っている男達に囲まれているのだとしたら、僕はとても心配です。やはり、ゆっくりと「熟年離婚」に向かっていると感じるのです。

 そして、子供さんには奥さんのことを優しく聞きましたか? まさか、「母さんが外で働くのは嫌だよな」と無意識に強い口調になりませんでしたか? それなら、小学5・6年生の子供達は間違いなく、「お母さんが働くのはやだ」と答えるでしょう。まして息子二人ですからね。これが娘だったら、母親に歩み寄る発言があったかもしれません。

 でね、きーやん。生ビールをお代わりしながら聞いてくれる? きーやんは、じつは奥さんが働きたい理由がお金じゃないってことを知ってるんですよね。

 だって、「結婚して十数年も経って突然、自分の生きがいのために方向転換を家族に強要するなんて」と、ちゃんとお金じゃなくて、「生きがい」を選ぼうとしてるんだ、と分かってるんですよね。

 で、それを「妻のルール違反ではないでしょうか」と言うんですよね。

 もちろん、それは「ルール違反」です。でね、きーやん。

 問題は、あなたが「ルール違反」を認めるか認めないかなのですよ。人生には「ルール違反」はつきものだと思うか、「ルール違反」は絶対に許さないと思うか、ですね。

 でね、きーやん。「ルール違反」から楽しいことが生まれた例はたくさんあるのですよ。

 トリック撮影というか特撮の始まりを知っていますか? 映画の初期、フィルムは頻繁に代えないといけない長さしかありませんでした。日本映画の場合、チャンバラの途中で、フィルムを代えるために、みんなストップモーションしながら待っていました。でも、中に、「ルール違反」をしてトイレに行った俳優がいました。

 現像してフィルムをつないで上映してみると、いきなり、人がパッと消えたのです。見ていた映画関係者はどよめきました。そして、「これは忍法だ!」とトリック撮影が盛んになったのです。


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