「妻が働きたいと言いだしました」怒る夫に鴻上尚史が伝えた言葉とは? (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「妻が働きたいと言いだしました」怒る夫に鴻上尚史が伝えた言葉とは?

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 僕がきーやんの相談を読んで浮かんだのは「熟年離婚」という単語です。

 驚きましたか? まだまだ先のことですが、このまま、きーやんが奥さんの要求をはねつければ、やがてそこに行き着くんじゃないかと僕は思っています。

 奥さんの気持ちはわりとシンプルでしょう。

 結婚する時は、夫婦生活と子育てに生きがいを見いだせると思っていた。そして、きーやんが働き、子供が小さい時は、「生きがい」としての主婦生活をおくれた。でも、恋愛の熱病がさめ、子供が成長し、「自分が絶対に必要」というスタンスではなくなった。

 奥さんが聡明な人なら、子供の成長を自分の生きがいにしてはいけないと考えるでしょう。小学生のうちはまだいいけれど、2年後、中学生になったら適度な距離を取るべきだと考えるはずです。いつまでもベタベタしてくる母親を、中学生にもなるとうっとーしいと男の子は感じますからね。きーやんもそうじゃなかったですか?

 で、奥さんは自分の生きがいのために、正社員の道を選ぼうとしているんだと、僕は思います。

「これから子どもの教育にももっとお金がかかるし不安だから」という奥さんの理由は、一番の理由ではないでしょう。それは、二番目の理由で、でも、きーやんを説得するためには、この理由がいいんだと考えたんだと思います。

 だって、「自分の生きがいのために働きに出たい」と言ってしまうと「家庭は生きがいじゃないのか!」「子供たちは生きがいじゃないのか!」ときーやんに怒られると考えたのでしょう。

 気になるのは、きーやんの同僚の発言です。「一回働かせてみれば、世の中の厳しさがわかるよ」とか「家事をすべてやるっていう条件なら、お金が入るからいいじゃん」というのは、誰も妻側に歩み寄ってはいない言葉です。

 きーやんの周りは、みんな「女は黙ってついてこい。家庭にいればいいんだ」という考え方の人達だけなんでしょうか? もしくは、「奥さん、人生の目標が欲しいんじゃないですか?」とアドバイスをする後輩はいたけれど無視したのでしょうか?


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