野上:ある記者が「実は村本さんにお願いして紙面に出てもらいたい」というのを聞いたことがあります。要するに、いいころ合いに「村本さん」という存在がポンと登場したみたいな感じに去年、なりました。でも、僕の思っている村本さんは、そういう風に使われるのって絶対的に嫌だろうとすごく感じていたんです。たぶん、逆にひっくり返したいと思っているだろうな、と。そう思っていたら、番組で1回やりましたよね。

村本:「THE MANZAI」の後に、たまたま僕の番組(土曜The NIGHT)が終わるってなったから、ツイッターで急きょ、「終わることになりました。詳しい理由は話せません。生放送で言うかもしれません、あっこれも削除します」「本当の話を知りたい方はAbemaのスタジオに来てください」って書いた。そうしたら、新聞社が何社か来て「やっぱり官邸からの圧力ですか?」みたいなことを言うわけです。「生放送で言うんで」って言うと、「分かりました!」と。で、「留学に行くから辞めます!」と言うと「本当は?」「そんなわけないですよね?」とかって皆が言うわけです。

野上:ちょっとずつ混ぜ返していかないと、いいように役割を与えられて固定されるようになるんですよね。

――村本さんは表現者として「自分は自分でやりたい」というスタンスでしょうか。

村本:何か、産地を書き換えられているような気がするんですよね。ツイッターで琉球新報のことを書こうと思ったこともあるんですけど、書いたら書いたで琉球新報と逆のやつに使われるじゃないですか。「ああぁ、それやったらこんなインタビュー受けんかったらよかった!」みたいな。

野上:結局そこにいってしまうんですよね。沖縄の県民大会の時の出来事ですね。翁長さんへの強いご興味ですね。

村本:翁長さんもだし、野上さんもですね。僕もスタンダップ・コメディーをしながら死んでいきたいです。僕の親父は無口だけど、仕事の話になるとわーっと話す。仕事と生きることが一緒になっている。それは翁長さんも野上さんも同じです。翁長さんは「夢半ばで」とよく言われていますが、走りながら天に行ったように見えて僕は美しいと思っています。野上さんも今も書き続けている。それはどこに向かって、なぜ書き続けるんですか。

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なぜ書き続けるのか? その答えは…