米倉涼子 (c)朝日新聞社
米倉涼子 (c)朝日新聞社

■民放注目ドラマは「リーガルV ~元弁護士・小鳥遊翔子~」と「スーツ」、「獣になれない私たち」

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 テレビ業界全体で視聴率低迷が叫ばれているなか、各局はさまざまな戦略を練っている。特に若年層を取り込み、テレビ局として強いブランド力を獲得できるテレビドラマの改変には力を入れているようだ。インターネット放送との積極的なコラボレーションはもはや当たり前で、それ以外でも例えば日本テレビでは12月頃を目標に“朝ドラ”を放送することを発表し、話題となった。

「フジテレビの月9がすっかり凋落した一方で、このところはTBS系の『日曜劇場』やテレビ朝日系の『木曜ドラマ』などが、常に注目作を発表しています。ドラマ枠というものは、視聴率が取れる作品を作り続けることで定着していくものなので、すぐにうまくいく気はしませんが、日テレは朝の情報番組の視聴率があまり良くない。朝ドラへの参入は、そこで『どうせなら』というチャレンジ的な意味合いが強いのではないでしょうか」(広告代理店社員)

 さて、今秋スタートする10月クールの新ドラマでは注目作品がめじろ押しだ。テレビ朝日系・木曜ドラマでは、視聴率の帝王・米倉涼子(43)の新ドラマ「リーガルV ~元弁護士・小鳥遊翔子~」が放送される。さらに、TBS系・日曜劇場では「下町ロケット」の最新シリーズが放送予定だ。どちらも高視聴率が予想される手堅い作品だろう。また、フジテレビ系の月9枠では海外ドラマのリメイク作品「SUITS(スーツ)」を織田裕二(50)主演で、鈴木保奈美(52)が共演する。同作に合わせてトレンディードラマの代名詞でもある「東京ラブストーリー」(1991年)が再放送され、注目を集めている。そのほか、日本テレビ系・水曜ドラマ(22時~)の新垣結衣(30)主演のオリジナル脚本ドラマ「獣になれない私たち」も注目だ。

 大手キー局がドラマでテコ入れを行う一方、ドラマファンから注目されているのがWOWOWのドラマだ。2003年から不定期に制作・放送しているテレビドラマシリーズ「ドラマW」で、9月23日に放送を開始した「真犯人」の評判が高く、8月末に行われた完成披露試写を見た関係者から絶賛の声が聞かれた。同試写会を取材した映画ライターのよしひろまさみち氏は言う。

「ドラマWシリーズは最近、良質なドラマが量産されている印象です。2000年代まではわりと手探りといった印象でしたが、2010年代に入ってから方向性が固まってきた感じです。映画と民放の連続ドラマの中間くらいの規模感で、しっかりお金と時間をかけて作っている上に、民放のように視聴率をそこまで気にしないでもよいため、キャスティングも芝居がしっかりできる役者を揃えています。『真犯人』では上川隆也(53)と小泉孝太郎(40)が主演という渋いキャスティングで、この組み合わせは映画でもなかなか難しいでしょう。さらに、内田有紀(42)やでんでん(68)、高嶋政伸(51)が出演するなど、すごく豪華です。先日放送された初回でも、過去と現在が入り組んだ小説の構成をなるべく忠実に再現しているんですが、製作から放送までの期間が短い民放のテレビドラマではなかなか難しい。その丁寧な編集が功を奏して、物語の舞台設定が少しずつ解明されながら、謎を残したまま次回へ……という展開で、初回からぐっと引き込まれました」

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警察小説大賞、立ち上げの真意は?