人はどうやって生きたら幸せになれるのだろう。

 数々の人生訓で多くの人を感動させ、ツイッターフォロワー80万人を持つ小池一夫の著書『人生の結論』(朝日新書)から、ストレス社会で生きるあなたへ充実した人生をおくるヒントを提案する。今回のテーマは、「誰のせいでもない」。

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 何か問題や嫌なことがあったとき、自分のせいか、他人のせいの二者択一ではなく、誰のせいでもないこともあると三番目の選択肢をつくって上手にあきらめるのは、少しでも楽に生きる人生のコツです。

 その選択肢を残しておかないと、誰もそんな結果を望んでいなかったにもかかわらず、最悪の結果になってしまうことがあります。それぞれの人が自分の正義を全うしたつもりでも、望まない結果を招くことも多々あります。そういうときには、この第三の選択肢を考えるのです。

 自分を傷つけない、他人も傷つけない、誰のせいでもないということをいつも心の隅に持っておくのです。

 自分に譲れない都合があるように、他人にも譲れない都合があるのです。

 誤解と理解で成り立っているのが人間関係ですが、相手の話をよく聞いてみると、「自分の正義」対「敵としての悪」ではなく「自分の正義」対「相手の正義」であることもよくあります。

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