もしそこで「どうしても大切な人」という結論が確定したら、そこから行動を起こしましょう。

 まず、いつのどのあなたの行動がそう思われてしまったのか? たった一度の意図せぬ行動でそこまでのことが起こることは考えにくいです。

 本当にそういうこと(一度くらいの意図せぬ行動を勘違いされた)のでしたら、相手はかなり付き合いにくい人という可能性があると思われます。

 ちょっとしたことで怒りっぽいまたは扱いにうるさい権威的な人だという感じがします。

 つぎに大事なのはあなたとその方の関係性です。こちらから見たその方の重要性と先方から見たこちらの重要性の比較はどうでしょう? それらが同じくらいまたはこちらの重要性が上なら、こちらが強気に出られる可能性があります。しかし、今回は向こうから見た重要性よりこちらからみた先方の重要性が上という関係でしょうか?

 これらが当たっているとしたら、当人の関係者を経由してでも、思い当たる行動の正確な意図(悪気がなかったこと)を正確に伝えて、謝ることがいいように思われます。ややこしい人でしょうから、間に(連絡役、または・そして、謝罪付き添い役として)、共通の友人に入ってもらうことをお勧めします。

 こういうタイプの人には謝罪の仕方がカギを握ります。さらりとした関係を続けたいなら、その方が長期的にはいいと思います、あっさりと他意のないことをさっぱり伝えることです。仰々しく謝ると、このタイプの人は付け上がってくる可能性があり、長期的にパワハラやセクハラまがいの行為をしがちで、かえって苦労する気がします。

 長期的にはこういう人があなたの仕事のカギを握ることがないように、仕事での関係性を徐々に変えていくことをお勧めします。ややこしそうな人と弱い立場で付き合わないといけない、そういう関係を長期的に自分に強いるようにしないことをお勧めします。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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