彼らが口にした「オリンピック」とは2016年リオ五輪のことだ。今回の試合でスタメンの遠藤、室屋、中島、南野に加え、サブの植田直通と浅野もリオ五輪の戦士で、三浦も五輪直前のトゥーロン国際大会に出場するなどリオ五輪世代のメンバーだった。

 南アフリカワールドカップからロシアワールドカップまで、代表選手の主力は本田圭佑、香川真司、長友佑都ら北京五輪の世代だった。彼らに実力があったのだから当然と言える。その北京世代を押しのけてリオ世代が代表の主力になりつつあるのかもしれない。そのユニットを活用した森保監督の初陣における手腕は見事と言える。日本サッカー協会の関塚隆技術委員長は「継続性があるね」とコスタリカ戦を評した。恐らく2020年東京五輪と2022年カタールワールドカップを想定してのコメントだろう。

 力不足のコスタリカとはいえ、日本が完勝したことは評価したい、しかし、これはあくまでスタートラインに過ぎないはずだ。今後、吉田麻也や酒井宏樹、原口元気、長友、大迫勇也、久保裕也らの海外組とどうマッチングさせるのか。10月と11月の代表試合が楽しみな森保ジャパンであり、結果を残した今回の日本代表メンバーだった。(サッカージャーナリスト・六川亨)