8月23日の発表会での牛田一雄社長執行役員。発表会の模様はインターネットでストリーミングで中継された(撮影/猪狩友則)
8月23日の発表会での牛田一雄社長執行役員。発表会の模様はインターネットでストリーミングで中継された(撮影/猪狩友則)
ニコンZ 7と専用の標準ズームレンズのNIKKOR Z 24-70mm f/4 S(写真提供/ニコン)
ニコンZ 7と専用の標準ズームレンズのNIKKOR Z 24-70mm f/4 S(写真提供/ニコン)
前列左から、映像事業部開発統括部第一設計部の斉藤義久さん、尾崎浩二さん、映像事業部開発統括部第二開発部の服部佑子さん、太田敦也さん。後列左から、光学本部第二開発部藤原誠さん、映像事業部マーケティング統括部UX企画部の石上裕行さん、光学本部第二開発部の岸本崇さん、光学本部第三設計部の小濱昭彦さん、武俊典さん、映像事業部マーケティング統括部の折井一成さん(撮影/赤城耕一)
前列左から、映像事業部開発統括部第一設計部の斉藤義久さん、尾崎浩二さん、
映像事業部開発統括部第二開発部の服部佑子さん、太田敦也さん。後列左から、光学本部第二開発部藤原誠さん、映像事業部マーケティング統括部UX企画部の石上裕行さん、光学本部第二開発部の岸本崇さん、光学本部第三設計部の小濱昭彦さん、武俊典さん、映像事業部マーケティング統括部の折井一成さん(撮影/赤城耕一)

 8月23日ニコンがフルサイズミラーレスカメラを発表した。

【話題のニコン・フルサイズミラーレスカメラはこちら】

 フルサイズとは35mm版フィルムと同じ大きさのこと、ミラーレスは一眼レフのようなミラーや光学ファインダーがないデジタルカメラのことだ。このジャンルは、ソニーのα7/9シリーズが先行し大きなシェアを持っている。そこに一眼レフで大きなシェアを持つニコンが切り込んでいく。

 今回は2台のカメラと3本の専用レンズ、一眼レフ用のアダプターが発表された。
 
 待望のカメラと喜ぶニコンユーザーがいる一方で、ニコン一眼レフからすでにソニーに乗り換えた人からは「いまさら……」といった冷ややかな声も聞く。新しいミラーレスカメラZ 6/Z 7、そして新レンズの開発陣に話を聞いた。

*  *  *

――なぜ今ミラーレス出すことにしたのですか。創業100周年に合わせて去年でもよかったのでは?

 一眼レフでは応えられない、時代にあったミラーレスの技術があります。例えばミラーレスには電子ビューファインダー(以下EVF)で仕上がりを確認できるというメリットがあります。また、どうしても静かなところで撮影したいとき、一眼レフでもミラーアップをすることで静音化はできますが、ミラーレスなら非常に静かに撮影ができますから、特に劇場などで有利です。さらに、ミラーがないぶん小型化できるメリットがあります。100周年を意識しないわけではなかったのですが、急いで作って満足できないものを提供するのではなく、納得し熟したのがこの時期でした。

――今後ニコンのデジタル一眼レフは?

 デジタル一眼レフも継続していきます。ミラーレスに移行するのではなく、並行してやっていくということです。今回のZ 6/Z 7でも違和感ないEVFに仕上がっていますが、それでも見たままの光が入ってくる光学ファインダーの優位性はあります。常時ライブビューのミラーレスに対して、撮影可能枚数の点でも有利です。たしかに現在、一眼レフからミラーレスという市場の流れはありますが、すべての人がミラーレスを求めているわけではありません。それぞれ求められるものに違いがありますので、ニコンとしては、お客様には好みで選んでいただけるように一眼レフとミラーレスを両立していきます。できれば両方ご使用いただけると嬉しいところです。

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レンズが3本だった理由