■捕手


益子京右(青藍泰斗・右投右打)
田宮裕涼(成田・右投左打)
石橋康太(関東一・右投右打)
野村大樹(早稲田実・右投右打)
杉森圭輔(敦賀気比・右投右打)

■内野手
野村佑希(花咲徳栄・一塁手兼三塁手・右投右打)
斉藤大輝(横浜・二塁手・右投右打)
山田健太(大阪桐蔭・二塁手・右投右打)
北村恵吾(近江・三塁手・右投右打)
浜田太貴(明豊・三塁手・右投右打)
太田椋(天理・遊撃手・右投右打)

■外野手
山口航輝(明桜・右投右打)
山下航汰(健大高崎・右投左打)
齋藤未来也(関東一・右投左打)
森下翔太(東海大相模・右投右打)
萩尾匡也(文徳・右投右打)

 右投手は選出した全員が最速145キロ以上のスピードを誇り、吉田がいなくても本格派右腕は人材が豊富だということがよく分かるだろう。また、サウスポーも石井、矢澤、松本など甲子園未経験組にも安定感とスピードを備えた人材が控えている。投打両面での活躍が期待できるという意味ではバッティングにも非凡なセンスがある勝又、矢澤、田中、宜保などはぜひ検討してもらいたかった人材だ。

 打てる捕手という意味で貴重なのが石橋と野村大樹の2人。石橋はスローイングも素晴らしく、総合力では高校ナンバーワンとも言える。野村大樹はバッティングはもちろんだが、キャッチャーとサードができるユーティリティーぶりでも推したい。内野手では課題のセカンドの人材としては斉藤と山田が最適。ともに打力のある右打ちのセカンドという意味でぜひ選んでほしかった人材だ。他は甲子園出場組が多いが、足のスペシャリストとして斉藤も貴重な戦力となったであろう。

 トータルで見て今回のメンバーは決して悪い選考ではなく、アジア選手権でも優勝の可能性は高いだろう。しかし、他にもこれだけレベルの高い選手がいることを広く知って頂きたく紹介した。彼らをうまく活用すれば、甲子園大会で疲れの見えた選手を無理に選ぶ必要は決してなかったであろう。U18に限らず、国際大会の重要性は今後の野球界を考えると、さらに重要になってくることは間違いない。来年以降、さらに広い視点での選考が行われ、代表チームの価値が高まることを期待したい。(文・西尾典文)

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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