――あなたの演じるサンドラは精神的に長い間抑圧されていた人ですが、その彼女が解放された気持ちをどう演じようと思いましたか?

「どんな役柄でも、スクリーンの中で大きな変化を遂げる場合は、正直かつ正確に脚本化することが要となる。人の変化というのは、あっという間には起こらず、時間が必要となる。サンドラの場合、姉によって説得されることも必要だったし、自由に生きるということはどういう事かを示してもらわなければならなかった。いかにして人生を生きるか。自分を変えるのは簡単なことではないと思うわ」

――もしあなた自身がサンドラに会ったとしたら、どんなアドバイスをしますか?

「『立ち止まって、人の意見を聞き、学ぶことが大切よ。オープンであることも』とアドバイスするわ。彼女はとても閉ざされている。だか少しオープンになることが大切だと思うわ。また自分のことを思ってくれる人と一緒にいるのも大切なことだと。人生はいろんなことが起こるけれど、オープンでいれば、物事を受け入れられる。ノーと言うのも時には大切。彼女は自分自身に長い間、正直でなかったのだと思う。それに対して姉のビフは妹を励ますのよ。強制するのではなく。妹はとても不幸せに感じていて、彼女はその妹に、いろんな提案し励ます素敵な人よ」

――シニアを活気つけるのが踊りですよね。ダンスがお上手ですか?

「いいえ。残念なことに(笑)でも踊りに特に苦労したわけではなかった。長い時間をかけて汗だくでリハーサルはしたけれど、楽しかったわよ。この映画にとっても踊りというのは、もらって嬉しいプレゼントみたいなものみたいなものだったと思うわ」

――姉役のシーリア・イムリさんとは若い頃舞台の『キャバレー』の時に一緒に踊ったのではないですか?

「そうなの。大きなグループで一緒に踊ったのだけど、とても楽しかったわ。一人でやるんじゃつまらないから。みんなと踊ると、いろいろやれる事も増える。キャバレーの時もそうだったけれど。仲間にはかなり年上の人もいて、特に男性は踊っているときの顔が少年のようだった。そして驚くようなタップを踊って。映画にでてくるけれど、踊りというのは、それに肉体だけではなく踊る人の精神が現れるものだと思う。間違わないでステップを踏めるのか、見た目はいいのか、という事よりも、人柄が踊りには出てくるのだと思うわ!」

(取材と文・高野裕子)