会見する宮川選手 (c)朝日新聞社
会見する宮川選手 (c)朝日新聞社

塚原副会長 (c)朝日新聞社
塚原副会長 (c)朝日新聞社

 日本レスリング協会に続き、日本体操協会でも有力選手によるパワハラ告発が勃発し、大混乱に陥っている。

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 29日午後、記者会見を行ったのは、2016年リオデジャネイロ五輪体操女子代表の宮川紗江選手(18)。

 日本体操協会幹部からパワハラを受けたと告発した。

 宮川選手は速見佑斗コーチ(34)が協会から無期限の登録抹消処分を受けた問題で、コーチから頭を叩かれたり、髪を引っ張られたりしたことがあったと認めたが、「練習に気合が入っていない時だったので仕方ないと思った。暴力は許されないが、処分が重すぎる」と処分の軽減を求めた。

 そして宮川選手は体操協会の塚原光男副会長(70)と妻の千恵子女子強化本部長(71)から速見コーチの暴力行為を認めるよう強要され、その中でパワハラがあったと訴えた。

 塚原副会長らから「このままではオリンピックに出られなくなる」と圧力を受けたとし、「家族もコーチも否定され、私は速見コーチと引き離されてしまうんだと恐怖と苦痛で全てがおかしくなってしまいそうだった」と訴えた。

 一方、体操協会も同日夜に記者会見を開き、速見コーチの処分経緯を説明し、改めて速見コーチによる暴力や暴言があったと認定し、処分の経緯や正当性を訴えた。

 一方、宮川選手にパワハラで告発された塚原副会長は30日、記者団に「なぜ、彼女が嘘を言うのかわからない」「30日午後にプレスリリース(声明)を出す。今後会見することもあると思う」と発言。

 だが、体操協会広報事務局はAERA dot. 編集部の取材に対し、「プレスリリースや会見の話は協会として把握していません。今後、動きが出ればまたご連絡します。今、副会長がコメントしている内容は協会としてではなく、個人としてのものです」と困惑した様子で話した。

 日本体操協会は30日午後、臨時パワハラ対策会議を開き、対応を協議しているという。

 ロサンゼルス五輪体操男子の鉄棒金メダリストの森末慎二さん(61)は30日のスポーツ報知でこう訴えている。

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