徳島新聞にも取材を申し込むと、「すべて実行委員会に聞いてください。こちらからお答えすることはない」というばかり。

 徳島新聞関係者が「匿名」を条件に内情をこう打ち明ける。

「阿波踊り関連の収入は徳島新聞とその関連会社にとっては、ドル箱です。人出100万人、経済波及効果100億円という数字は広告などの面で大事。というのも、阿波踊りの前には高知市でよさこい祭りがあって、こちらも100万人と言われており、負けてはならないのです。何があっても100万人超えとならないと、困るのです」

 今年の阿波踊り、実際に歩くと昨年と比較して、閑散としていて桟敷席のチケットもすぐに買えた。

 実際に中を見ると、桟敷席はガラガラ。

「これまで100万人以上とされていた人出が、その2割ほどだったのであれば、とんでもないこと。市議会でも追及したい」
と岡孝治徳島市議は言う。

 遠藤市長は阿波踊り期間中の8月15日、テレビ番組に生出演。

「阿波踊りはこうした騒動でマイナスイメージとなり、総踊り中止が阿波踊り中止と思われた」「今年は踊り子、主催者、お客さん、全部がマイナスとなった」と肩を落とし、語っていた。

 総踊り中止騒動後に、”人出水増し”という新たな疑惑が浮上し、その対応も迫られそうだ。(ジャーナリスト・今西憲之)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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