会議や食事会も、あまりにもお断りしていたら最近声もかかりませんが、仕事に没入した経緯での出会いや会合の方が、知人が紹介したいといってくれる有名人になんとなく会ったりするより満足感がある気がします。

 昔は有名人に会うのが好きでしたが、単にそういう人を紹介してもらっても後で何も起こらないし、話も盛り上がりませんでした。でも今は自分の仕事で世界的有名人に会えるようになり、たくさんの物事を吸収させてもらっています。そうすると家族や本当に大切な友人に避ける時間がどんどん増えてきます。

 日本への論評をメディアから求められることがありますが、正確に論評するために投入する時間とエネルギーと私への満足感含めたリターンを比べるとなんだかなあという気になります。論評したい人は他にいっぱいいらっしゃるでしょう。

 もちろん家族との時間はプライスレスです。自分の本業に打ち込み、時間あたりの付加価値を極度に高めておくと、余計なことをしなくなり、いいことばかり起きる気がします。もちろん、生産性が高まった分のリターンが数字で明確に得られるような形にしないといけませんが。ここは「日本で雇用されている身」だと難しいのかもしれませんが。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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