佐藤二朗「小栗旬を見習ってミュージカル出演を決めた顛末」

連載「こんな大人でも大丈夫?」

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 個性派俳優、佐藤二朗さんによる「AERA dot.」の新連載「こんな大人でも大丈夫?」。日々の仕事や生活の中で感じているジローイズムをお届けします。

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 オーノー。ノーノーオーノー。オーノーノーノーオーノーノー。ノーオーノーノーノーオーノー。オーノー? ノーノーオーノー。こいつ、どうかしてしまったのかとお思いだろう。実際、どうかしている。どうかしてしまっている。体が固く、前屈で地面に指先が着いたことがない僕が、リズム感というものが悪いというか、ほぼない、この僕が、なななななんと、今、ミュージカルの稽古中なのだ。舞台「シティ・オブ・エンジェルズ」。新国立劇場の中劇場にて9月1日より。つまり本番まであと10日ほど。オーノー。本格的にオーノー。

 夢だ。夢と思いたい。寝て、目覚めたら、「バッカじゃ~ん、お前ごときがミュージカル出られる訳ないじゃ~ん、なし~、お前の出演なし~」とミュージカルの神様的な人に言ってもらいたい。神様が無理なら仏として俺が俺に言ってあげたい。「二朗よ。お前のミュージカル出演。……うっそ~ん、かわうっそ~ん」。ちょ待て。ふざけてる場合ではない。おそらくミュージカル出演は、現実なのだろう。だって今これ書いてる目の前で、山田孝之と山田優ちゃんが一生懸命に稽古してるから。いま俺、稽古場にいるから。次の次くらいに、俺の出番だから。

 いや、いやいや、あのね、観るのは好きなの。ミュージカル観るのは好きなのよ。だって目の前でよ、自分のすぐ目の前でよ、生身の人間が歌ったり踊ったりする姿を観るのは、やはり楽しい。絶対に自分には出来ないことを、出来る人たちが見事にやり遂げる姿を観る、てな意味でも、やはり楽しい。でも、餅は餅屋。僕がやることになるとは、微塵も、本当に微塵も考えたことがなかった。

 実は今まで、演出の福田雄一から、何度かミュージカルに出ないか、とお誘いを受けていた。が、歌えない踊れないを理由に全てお断りしてきた。実際、「俺なんかがミュージカルに出ちゃいかんだろう」という思いがあった。

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小栗旬の控室で意外な姿に…

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