■終盤戦で「台風の目」になりそうな神戸

「ドイツやベルギーはすでに外国人枠が撤廃されていますし、そういう環境に慣れていく必要があると思う。僕らの場合も多国籍なんで、コミュニケーションを大切にしていかなければいけない。アンドレスが来た1カ月前に『紅白戦が1本終わるたびに話し合いを持つ』というのを自分が提案し、それを実践していますけど、ピッチの問題はピッチ内で解決しなきゃいけないという意識は高まっている。アンドレスもルーカスも必ず意見を言ってくれる。日本人の和を大事にしてくれていると感じます」

 ポドルスキ不在時にキャプテンマークを巻いていたDF渡部博文はこう強調したが、意思疎通の問題を克服していくことは多国籍時代に突入しつつあるJリーグで躍進するための必須条件かもしれない。

 それをイニエスタやポドルスキも理解しているのは今の神戸にとって非常に心強い点。「神戸はイニエスタとポドルスキだけじゃない。選手、監督やコーチ、用具係などスタッフもホントに1つのチームになって戦っている。非常にいい方向に進んでいる」とポドルスキも力強く語っていた。外国人選手側がこれからもフォア・ザ・チーム精神を前面に押し出してくれれば、彼らの目標であるアジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得はそう遠くないのかもしれない。

 磐田戦勝利によって、神戸は21試合終了時点で勝ち点32の暫定4位に浮上した。15日の次節には首位・サンフレッチェ広島との上位対決が控えている。そこに勝てればより勢いが出てくるはずだ。ここからの終盤戦で「台風の目」になりそうな神戸から目が離せない。(文・元川悦子)