全国大学生活協同組合連合会の調べによると、私立大学で自宅生の場合、出願から受験までの費用や入学する大学への納付金で110万4500円。これに教科書・教材代など31万5000円が加わり、4月までにかかる費用は約150万円。さらに後期授業料を加えると200万円を軽くオーバーする。

 私立大学で下宿生(寮生を除いた自宅外に住む学生)になると、住まい探しの費用が21 万8100円、生活財購入費が31万600円、その他で24万9000円となり、4月までに約220万円が必要。後期授業料を足すと約280万円に達する。

 この最大瞬間風速ともいえる支出をどう工面するかが親にとっては最重要課題となる。

「学資保険や、この支払いが可能なほど預金があればいいですが、そうでない場合は教育ローンを利用することになります。支払い期日の直前になってあわてないように、入試よりも前、高校3年の12月までにローンを申し込んでおくと安心です。そのためには高3の夏から秋にかけて下調べをしておきましょう」

■ネット頼みはダメ! 情報は自分で取りにいく

 教育ローンは金利の低い順に、国(日本政策金融公庫)の教育ローン、銀行系、信販会社系となる。銀行にもさまざまあるが、畠中さんは地域によっては信用金庫がおススメだという。

「たとえば有名大学が集中する京都では、毎年秋に教育ローンのキャンペーンを行う信金が多いのです。金利を下げたり、保証料を無料にしたりするなど内容は多種多様。しかも、そうした情報はインターネットで告知されないこともあるので、電話して直接確認することが大事。また、その銀行の住宅ローンを利用していたり、給与の振込先になっていたりすると、ローンの金利が下がるなど条件が良くなります。そうしたことも考えて、数カ月前から準備しておくといいですね」

 ただ、金利が低くても保証料が高い場合もあるので、トータルでいくら返すのかをシミュレーションしておくことも大事だ。

「子どものためとはいえ、借金というマイナスの財産を増やすのですから、徹底的に調べてください。アタマを使い、努力することを惜しんではいけません」

◯畠中雅子
ファイナンシャル・プランナー/「子どもにかけるお金を考える会」主宰。新聞や雑誌、ウェブに多数の連載を持つ。近著に『貯金1000万円以下でも老後は暮らせる!』(すばる舎)など。

(文/遠藤和呼)