この背浮きは、クロールと平泳ぎに並び、2020年度から全国の小学校で改定される学習指導要領に新しく追加されました。背浮きは心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)による心肺蘇生法と同じように、国民一人一人が習得すべき命を守る技術であり、泳げること以前に大事だと思います。

――助かる可能性を高めるために自力でできる方法の一つということですね。

 そうです。親も子もそれぞれ自分で高台に向かう「津波てんでんこ」の教えのように、水難事故でも救助が来るまでそれぞれが浮いて待つことができれば水難事故死だけでなく、救助死を減らすこともできると考えています。

 海の波は同じ場所での分子の上下運動なので、さほど影響を受けませんし、浮くのはリラックス効果もあり気持ちがいいものです。ぜひ「背浮き」を体験してみてください。(聞き手/AERA dot.編集部・金城珠代)