進退について語った山根会長(撮影/今西憲之)
進退について語った山根会長(撮影/今西憲之)

「日本ボクシングを再興する会」会見の様子(撮影/福井しほ)
「日本ボクシングを再興する会」会見の様子(撮影/福井しほ)

食事を終えたばかりの山根会長(撮影/今西憲之)
食事を終えたばかりの山根会長(撮影/今西憲之)

 日本ボクシング連盟の山根明会長(78)に対する告発状を日本オリンピック委員会(JOC)文部科学省などに出していた「日本ボクシングを再興する会」が8日、都内で緊急記者会見を開いた。

【写真】「日本ボクシングを再興する会」緊急記者会見の様子はこちら

 数時間前、すでに山根会長は辞任表明をしていが、宮崎県ボクシング連盟副会長の菊池浩吉氏は「核心に触れず、逃げたという印象」と痛烈に批判。

「(山根会長が)東京五輪は難しいような風に話したが、そうなったのは連盟や山根会長がしてきたことが原因だ」「会長を辞めて理事として残るのか、ボクシング連盟からいなくなるのか、判然としない」と嫌悪感をあらわにした。

 日本ボクシングを再興する会の3人と代理人弁護士2人が会見に出席。

 山根会長は辞任しても、日本ボクシング連盟のさまざまな不正やガバナンスの欠如を333人の連盟関係者が告発した問題は解決の見通しが立っていない。

 そして、今回の会見で助成金の不正流用、審判不正に加えて新たな不正も告発した。

 チーム経費やオリンピック慰労金に関連する金銭不正の疑惑を投げかけ、さらには奈良出身の山根会長の息のかかった選手らに有利な判定がされていたなどの審判不正の新証拠として音声データが公開された。

 公開された音声データでは2016年2月5日、山根会長が「接戦をした場合は誰にやるの? って言うわけ。人間関係やろ?」「接戦した場合、やっぱり奈良やな」「それ反対につけた場合は、『お前なめてるんか?』ってなってくるわけ」などと発言していたことが実証された格好だ。

 また、内海祥子常務理事が審判不正を知っていたことを裏付ける音声データも同時に公開。2016年4月30日に内海理事が、「そのために会長が審判を集めてんだから」「お前たちはなんで集められたか知ってるんか。言っとかないとダメだよ」「そうじゃないと正しくやっちゃうよ」などと日本ボクシング連盟の女性事務員に話していたことが明らかになった。

 また、相手女性も「近大が間違って勝ったりしたら、もう、えらいことになるわ」と呼応している。

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議決権の在り方にも問題があるとの声も