日本ハム・有原 (c)朝日新聞社
日本ハム・有原 (c)朝日新聞社

 オールスターブレイクを経て、いよいよ後半戦に突入したプロ野球。セ・パ両リーグでは今年も月ごとに「日本生命月間MVP賞」が選出される。8月8日の発表を前に、7月のパ・リーグの月間MVPを予想したい。

【パ・リーグ投手部門】
有原航平(日本ハム)

 荒療治を経て見事な進化を遂げた。大谷翔平(エンゼルス)の抜けたチームの新エースとしての期待を背負う有原航平(日本ハム)が、7月の4試合に先発して3勝0敗、防御率1.52と安定したピッチングを披露した。

 早稲田大からドラフト1位で入団して4年目。2年連続2ケタ勝利、3年間で計29勝を挙げた大型右腕は今季、春のキャンプでは右肩の炎症で出遅れながらも4月、5月で計4勝(2敗)を挙げたが、防御率6.38と好不調の波が激しく、5月29日に1軍登録抹消。6月12日に再昇格したが、首脳陣からリリーフへの配置転換を命じられた。

 異例の処置と言えたが、自身初のセーブも挙げた中で「ストレートの重要性」を再認識。迎えた7月、9日のソフトバンク戦(東京ドーム)で7回5安打1失点の好投で5勝目を挙げると、続く16日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では9回5安打1失点(自責0)の完投劇を見せた。続く24日の楽天戦(楽天生命パーク)では6回途中5失点(自責4)で勝敗付かずも、31日のロッテ戦(釧路)では再び8回4安打無失点の快投ぶり。持ち前の力強いストレートはさらに威力を増し、その中で変化球も効果的に決まった。

 その他の投手では、上沢直之(日本ハム)と多和田真三郎(西武)が有原と同じく月間3勝を挙げたが、上沢が防御率3点台で、多和田は5点台止まり。有原と同じく防御率1点台には涌井秀章(ロッテ)がいるが3試合で1勝のみ。ハーマン(楽天)が9試合で計9イニングを無失点に抑えて2ホールド、6セーブをマークしたが、ややインパクトに欠ける。有原が受賞すれば2016年7月以来2度目になる。

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打者部門は候補が乱立