披露宴はふたりの希望で親族だけでアットホームに。その後、職場の同僚たちが披露宴のような盛大な会を開いてくれた。結婚を機に会社を辞めることになっていた小田さんの送別会も兼ねた会だった。

「私は職場始まって以来の永年勤続者ということで送別会には義母と母も招待していただいたんです。義母も母も本当に喜んでくれ、一生忘れられない素敵な会になりました。初めはそんな会は気恥ずかしく、さほど乗り気ではなかったんですが、ドレスを着て、いつもとは違うメイクをしてもらって、とても華やいだ気持ちで幸せをかみしめました。年齢に関係なく、やっていただいて本当によかった。改めて多くの人に支えられて生きてきたことに感謝し、彼となら、これから先どんなことがあっても乗り越えられると再認識した日でもありましたね」

■毎日、新しい発見と驚きの連続で人生の楽しさが倍増

 同僚たちが行ってくれた温かいお祝いの会を胸に新しい生活をスタートさせてから、11月で丸5年を迎える。

 夫婦になったとはいえ、今まで違う環境で育ってきた人との生活がどんな風になるのか、多少の不安があったが、同じぐらいに面白さと新しい発見の毎日だった。

「結婚当初は独身が長い者同士、カルチャーショックと戸惑いの連続でした(笑)。いちばん驚いたのが、テレビやDVDに集中していると話しかけても返事がないんです。最初は聞こえていないのかなと思ったんですが、どうもそうではない。集中しすぎているだけでした。以後、『どんなときでも返事はきちんとする』ということで落着。次に驚いたのが、まだ親からお年玉をもらっていたことです。社会人になったら、子どもが親にあげるのが普通だと思っていましたし、現に私はそうしていましたが夫は違ったんです。これには、お互いびっくりでしたね。ほかにも夏でも毎日、湯舟に浸かる(女子みたい! と私の心の声)、私はシャワー。値段を気にせず買い物する(そんな買い物の仕方では、いつか破産する。再び私の心の声)、私はできるだけ安価なものを探すなど数えたらきりがありません。このように驚きの毎日でしたが、自分の知らない習慣や考え方を知る快感があって、得した気分。人生2倍楽しんでいる気がします」

次のページ
ほかにも時間の使い方や怒りの沸点までの時間も…