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「マザーキラー」子宮頸がんだけじゃない高リスク 医師が解説する「HPV」とは?

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.
米国でHPVワクチン接種開始から6年間で、米国の若年女性のHPV感染率が大幅に低下した(※写真はイメージ)

米国でHPVワクチン接種開始から6年間で、米国の若年女性のHPV感染率が大幅に低下した(※写真はイメージ)

 ワクチン接種による副反応は様々なメカニズムで起こっている可能性があって、明快な答えは出ていません。けれども、WHOは2017年に複合性局所疼痛症候群・体位性頻脈症候群は, 承認前後の報告でワクチン接種との直接の関連を認めなかったと副反応について声明を出しています。また、日本産科婦人科学会は、HPVワクチンの接種勧奨が中止され5年間が経過した間に、国内外において、数多くの研究がなされ、ワクチンの有効性と安全性を示す科学的なエビデンスが、数多く示されたとの見解を2018年6月に出しています。

 日本は、平成6〜11年度生まれの女子のHPVワクチン接種率が70%程度であるに対して、平成25年6月の接種の積極的勧奨中止などの影響により、平成12年度以降生まれの女子では接種率が劇的に低下、平成14年度以降生まれの女子では1%未満の接種率となっています。一方、米国疾病管理予防センター (CDC)の2013年の発表によると、13歳から17歳の女性への接種率は2012年では33.4%。欧州における接種率は、欧州疾病予防管理センター(ECDC)の2012年の報告書によると、イギリス80%、イタリア65%、フランス24%、ポルトガル84%と日本に比べると高い接種率が並んでいます。国際社会において日本だけが、子宮頸がんの発生率が増加するのではないかと懸念されているのです。

 私が勤務するクリニックでも、多くの20代前半の中国人女性が接種しにきています。留学生が中心ですが、週末の休みを利用して接種に来る女性もたくさん見かけます。HPVワクチンを接種して当たり前だ、という意識が強いように感じます。自分だけではなく、愛するパートナーや子どもを守るために、今一度、HPVワクチンについて世界に目を向けてみてはいかがでしょうか。

◯山本佳奈(やまもと・かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)


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山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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