私立小学校の教育理念や方針はさまざま。「AERA English特別号『英語に強くなる小学校選び2019』」では、全国の私立小学校を対象にアンケートを実施し、小学校6年間での「英語教育の目標」を中心に、学費や併設中学校への内部進学状況などについて調査。全国201校の情報を集計して分かった、四つのポイントを紹介する。

初年度納付金。201校の百の位を四捨五入した金額で集計。コースなどにより金額が異なる小学校はその平均で算出した
初年度納付金。201校の百の位を四捨五入した金額で集計。コースなどにより金額が異なる小学校はその平均で算出した

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 1年次と6年次のコマ数をグラフにまとめた。1年次の平均は週2.23コマで、6年次は2.62コマだ。コマ数の少ない学校では英語に楽しく親しみ、苦手意識を持たずに中学校へつなげる教育を、コマ数の多い学校では中学卒業時などのレベルを目指す傾向にある。

 2020年度にいよいよ新学習指導要領が導入される。公立小学校でも英語が正式教科となり、3、4年次は年間35コマ(週1コマ)、5、6年次は70コマ(週2コマ)の授業が行われる。私立小学校での英語教育、そして中学受験にはどのように影響するだろうか。私立小の英語教育や中学受験に詳しいジャパンリード株式会社の安本真樹さんは、

「今までは低学年から英語の授業があることが私立小の強みだったが、これからはより一層特色を出さなければならない。英語教育に費やす時間はもちろん増加するでしょう」

 と話す。中学入試にも英語をとり入れる流れが加速しそうだ。

「全国に先行して、関西ではすでに英語を入試科目にしている学校があり、首都圏でも19年から慶應義塾湘南藤沢中等部が選択式で国・算・英の3教科入試を導入予定です。他校も追随し、21年度には英語を入試の必修科目とする学校が増えるでしょう」(安本さん)

 保護者の世代が受けてきた英語教育から様変わりし、いよいよグローバル教育が本格化する。

「保護者の方は子どもが将来、進路を幅広く選択できるよう、小・中・高・大学と先を見据え、情報収集してほしいです」(安本さん)

■外部中学受験も視野に小学校選びを

 私立小学校に入学すれば、中学、高校、そして大学附属校ならば計16年間受験をせずに通うことができる――。かつてはそれが私立小の最大のメリットと言われていたが、アンケートの回答があった併設中学校のある164校の内部進学率を見てみると、意外な結果となった。

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アエラムック教育編集部
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