しかし、ツイッターやフェイスブックなどのSNSに、それぞれの意見の持ち主が投稿した回数を調べると、なんと、最も人数が少なかったはずの両極端な意見が、ネット上での投稿された回数では1位(「非常に賛成」)、2位(「絶対に反対」)を占めていた。

 つまり、社会の意見分布とネット上の意見分布がまったく逆の結果を示しているといえる。

 ネットによる一億総メディア時代の到来によって、誰もが自由に意見を発信し、ネット上で議論ができることが期待された。しかし、これらの実証研究結果が示すのは、ネット上には極端な意見があまりにも過剰に表出しており、アンバランスな言論空間が形成されているということである。ソーシャルメディアを活用する際には、自分の発信した情報に対するリアクションが――それが賛成意見でも、反対意見でも、同じように極端な意見ばかりが発信されているということを認識しておく必要があるだろう。