思わず目が点になるような珍プレーでゲームセットとなったのが、2003年の千葉県大会2回戦、浦安南vs京葉工。

 0対22と大きくリードされ、コールド負け寸前の浦安南は5回表2死から背番号11の代打が中前安打で出塁、最後に一矢報いようとした。

 直後、次打者が空振りした際に捕逸となり、一塁走者は二塁へ。チャンスが広がったかに見えた次の瞬間、スタンドは「まさか!」と驚きの声を上げた。

 なんと、二進した走者は二塁ベースを駆け抜けて、思いきりオーバーラン。戻ろうとしたところを、タッチされてアウトになってしまったのだ。これでスリーアウトとなり、ゲームセット。

 実は、7年ぶりに夏の大会に出場した浦安南は野球部員が6人しかおらず、他部からの助っ人5人を借りての出場だった。代打安打を放ったところまでは良かったが、野球のルールをよく知らずに二塁ベースを駆け抜けてしまったようだ。

 この珍プレーがYouTubeにアップされたことで、一躍有名になった同校だが、2015年に大網を6対2で下し、22年ぶりの夏白星。17年には元甲子園球児の習志野OB、白鳥了監督が就任し、“野球版スクールウォーズ"の夢実現を期している。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

著者プロフィールを見る
久保田龍雄

久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

久保田龍雄の記事一覧はこちら