■“恋愛禁止”でスキャンダルの心配もなし

 大勢が参加する現在のアイドルグループの中で、なんとか他のメンバーよりも目立とうとしてきた彼女たちが、脇役となりサポートに徹するアナウンサーという仕事は相いれない部分があるという指摘もある。

「もちろんアナウンサーとしてのスキルも必要ですが、最近では女子アナにもバラエティースキルが求められているのです。例えば『好きな女子アナランキング』で5連覇を達成した日テレ・水卜麻美アナ(31)やフジテレビ・山崎夕貴アナ(30)なども人気が高い。また、フリーアナで言うと、元読売テレビの川田裕美アナ(35)はバラエティー番組で人気を集めている。彼女たちの活躍を見れば、美人であることやアナウンススキルに加えて、なにかプラスワンのバラエティー要素があると、さらに人気が出る傾向にある。テレビ業界が苦戦している中で、バラエティーでの対応能力がすでに実証済みの元アイドルを起用することは、ひとつの流れとなっています。AKBグループや坂道グループからの転身が多いのは、やはりそれだけメジャー感があり、本人たちの実力も伴っているからでしょう」(同)

 一方、芸能リポーターの川内天子氏は「バラエティーの対応能力」だけにとどまらないと語る。

「テレビやステージなど人前に出る訓練を積んできているので、アナウンス技術さえ学んでしまえば即戦力になります。また、一度はアイドルになるという夢を叶えたので、次なるステップとしてアナウンサーになりたいと思う子は、意思もぶれないし決断力もある。肝が据わっているんですね。これがアナウンス学院に通って局入りした『ミス●●』みたいな女子大生と違うこところです。スキャンダル対策という意味でも元アイドルのほうが“安全”です。AKBグループや坂道グループは恋愛禁止などでも知られるように、厳しく教育・管理されてきたので、線引きができている。昨今は女子アナのスキャンダルや不祥事で降板・左遷も少なくないので、リスクヘッジという意味でも元アイドルのほうがいい。アナウンサー教育にどこもお金をかけられない時代なので、局側にとっては喉から手が出るほどほしい人材なのです」

 アナウンサーやキャスターになったメンバーは意外と高学歴な子も多く、忙しいアイドル活動と学業を両立させてきた努力家も揃っている。将来、アナウンサーになりたいと思うなら、まず秋元康プロデュースのアイドルグループに入る、という時代がやってくるのかもしれない。(ライター・黒崎さとし)