最大12点差からの大逆転劇が演じられたのが、2017年の静岡県大会2回戦、静岡大成vs磐田東。

 3回、2点をリードした静岡大成は7安打を集中し、敵失にも乗じて一挙10得点。14対2と12点差をつけた。

 だが、シード校の磐田東はその裏、1死一塁から4番・後藤颯太の三塁打などで2点を返した後、「5回(10点差)、7回(7点差)コールド負けはするな。まず1点ずつ。あきらめるな」という山内克之監督の檄に応え、4、5回に1点ずつ、6回に4点、7回に2点と毎回しぶとく得点して追いすがる。

 さらに8回1死一、二塁、後藤の同点タイムリーの後、この日7打数6安打6打点の5番・寺田祐貴のタイムリーで1点を勝ち越したが、9回に追いつかれ、15対15で延長戦に。

 そして、11回無死一、二塁、磐田東は途中出場の2年生・武内勇賢の右越えサヨナラ打で16対15。3時間41分のスーパー打撃戦に終止符を打った。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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