■守備的なポジションの選手では……

 守備的なポジションの選手では、アビスパ福岡からベルギーのシント・トロイデンに渡った冨安健洋が楽しみな選手だ。昨年のU-20W杯での中心で、188センチの高さがあり、若くして海外に渡って勝負するのは今大会の中心になった吉田麻也と似たキャリアでもある。さらに富安は、吉田よりもさらに若くして海外行きを決めた。これから蓄積されていくであろう欧州での経験は、スケールの大きなセンターバックとして日本の最終ラインの要に成長させる期待を大きくするものだ。

 Jリーグでプレーする選手では、昨年のベストヤングプレーヤー賞に選出された柏レイソルの中山雄太の名前が最初に来る。彼もまた昨年のU-20W杯のメンバーであり、富安とコンビを組んでいた。昨年はセンターバックに定着していたが、より多様なポジションでプレーできるタイプでもあり、その万能性はチームにとって大きい。

 三好と同様に川崎からの期限付き移籍によりベガルタ仙台でプレーしている板倉滉も、高さが魅力だ。昨年のU-20W杯組だが、186センチあり、最終ラインでも中盤でもプレーができる。高さに悩まされることの少なくない日本だけに、貴重な才能だと言える。また、ルーキーながら、すでに浦和でレギュラーを獲得している橋岡大樹もピックアップしたい選手だ。彼もまた182センチの高さがあり、センターバックでもサイドバックでもプレーできる柔軟性がある。対人守備能力の高いタイプであり、浦和では右サイドバックとして有力な相手アタッカーと渡り合う姿を見せている。

 長友佑都が大会中に話したように「サッカーは年齢で判断するものではない」のは事実だ。しかしながら、どこかで世代交代が避けられないのもまた現実である。2年後の2020年には、東京五輪が開催される。まずは、その舞台に立つような選手たちがカタールW杯での世代交代に名乗りを上げる大きな候補だろう。欧州に渡る選手もいれば、Jリーグで活躍する選手もいるが、若手世代の活躍は日本サッカーにとって大きな活力になる。

 普段、Jリーグのチームを応援しているサポーターには、自クラブの選手の名前がここに挙がらずに憤りを覚える人もいるだろう。それであれば、より大きな声援を期待と共に送ってほしい。決勝トーナメントでのプレーという大きな成果を出した日本代表の4年後に向け、多くの才能たちの成長に期待したい。