■一流のGKを悩ませるPK

 もう1つは流れの中でシュートをしないで得点を取る方法、PKだ。今大会はVAR(ビデオアシスタントレフェリー)の採用でPKによる得点が増えており、一流のGKを悩ませている。PKばかりはどれだけワールドクラスのGKでも、きちんと正確なシュートを蹴られたら決められてしまうからだ。

 ベルギーの3バックは身体能力が高いが、小回りの利く選手の対応に苦しむ傾向がある。3バックのアキレス腱とも言えるワイドをショートカウンターや速いコンビネーションで突きながら、香川や乾がペナルティエリア付近に入り込むシチュエーションを作っていけるかどうかがクルトワ攻略の1つの鍵になりそうだ。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才能”」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行予定。