中日・松坂大輔 (c)朝日新聞社
中日・松坂大輔 (c)朝日新聞社

 プロ野球のマイナビオールスターゲームのファン投票結果が6月25日に発表され、中日の松坂大輔が(37)がセリーグの先発投手部門で2位に約15万票差をつけ、12年ぶりに選出された。

「松坂がそれだけの票数を集めたというのは、現役にこだわる松坂の諦めない姿に共感する人がいるということだと思います」(スポーツライター)

 1980年度生まれの「松坂世代」は今年38歳を迎える。サラリーマンなら部署のリーダーの立場であったり、家庭を持ったり、どこか一段落する年齢かもしれない。

 “平成の怪物”と謳われた松坂が甲子園で春夏連覇したのは1998年のこと。同世代には阪神の藤川球児、巨人の杉内俊哉、巨人から戦力外通告を受け、BCリーグに移りNPB復帰を目指す村田修一、そして2年振りに1軍昇格した広島の永川勝浩、オリックスの小谷野栄一など、主力としてプロ野球界をけん引してきた選手ばかりだが、故障と不振にあえぎ引退を決断した選手も少なくない。

 6月16日に辞任した楽天の梨田昌孝・前監督(64)の後任として、監督代行に就任したヘッド兼打撃コーチの平石洋介氏(38)も松坂世代。98年の春夏の甲子園で、松坂投手擁する横浜高校と対戦したPL学園の元主将だ。

 一方、昨年から芸能界で脚光を浴びているのも同世代のタレントたちだ。NHK朝ドラ「あさが来た」の好演で“逆輸入俳優”と一気にブレイクしたディーン・フジオカ、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や大河ドラマにも出演した星野源、V6の岡田准一、高橋一生、妻夫木聡、芥川賞を受賞したピース・又吉直樹など多彩な顔ぶれだ。

「女優でいえば竹内結子、広末涼子、小池栄子、壇蜜などが“松坂世代”になります。38歳という年齢はスポーツ選手としてはピークを越えた時期になるかもしれませんが、芸能界の38歳は、一番自分のポジションが確立される時代ではないでしょうか」

 そう話すのは芸能リポーターの川内天子さん。

 1980年度生まれの人は小学生時代にバブル経済が崩壊、学生時代は日本経済が危機的状況に陥ったいわゆる「失われた10年」を経験した。

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ピンチをチャンスに変えていく力がある松坂世代