3試合ともパブリックビューイングで観戦しているという川島ファンの20代の女性サポーターは試合後、笑顔でこう話した。

「川島最高だった。全部が好き! 今日はとても良かった」

 同じく3試合ともパブリックビューイングで観戦している女性も興奮した様子で語った。

「仕事帰りに来ました。明日も仕事です。でも、4年に1回なのに来ない理由、ありますか? 決勝トーナメントにとりあえず、進めて嬉しい」

 一方、東京・新宿の映画館「バルト9」もナイトショーにはない熱気であふれた。

 28日23時近くになると映画館で一番大きい、429席あるスクリーンはほぼ満員となった。スクリーンに映像が流れると、拍手と歓声が巻き起こった。

 チケットの値段は2000円、ポップコーンやビール、コーラをほおばりながらスポーツバーとは違う穏やかな雰囲気で試合が始まった。

 序盤は盛り上がりに欠ける中、川島のスーパーセーブに会場が沸いた。そして前半が終わると、会場で観戦していた人たちは、一斉にトイレに駆け込んだ。

 大迫が登場すると、「大迫半端ないって」と歓声が飛んだものの、後半でポーランドのシュートが決まると、歓声が悲鳴に変わった。

 コロンビアがセネガルに勝ち越したという実況に会場は一時盛り上がったものの、日本がパスを回し、時間を稼ぐと、会場はブーイングの嵐。「前にいけー!」という声も。

「コロンビアを信じるしかない」と、会場では日本戦ではなく、携帯でセネガルVSコロンビアを見ている人が多い。

「映画館は意外と安くて、スクリーンも大きく、贅沢な気分を味わえてよかった」と初めてきたという会社員男性は答える。

「めっちゃ嬉しいけれど、最後の時間稼ぎや、負けたことによって、素直に喜べない」(会社員の女性)との声も。はたして決勝トーナメントで日本代表はどんな戦いを見せてくれるのか。

(AERAdot.編集部 井上和典、福井しほ、田中将介)