■落書き騒動で世間の目は一変した

 以前は、“お坊ちゃん”がゆえの浮世離れした発言などで批判も浴びていたが、ここに来て「羽鳥慎一のモーニングショー」(テレビ朝日系)などでの発言がズバッとしていて気持ちがいいという評判もある。

「一茂さんは、元女優との落書き事件で、家の塀に『バカ息子!』と落書きをされたのですが、『間違えだろ? うちには娘しかいないぞ?』と周りに相談していた、という話も聞きました。コラムニストの故・ナンシー関さんは、そういった彼の天然な性格についてよく取り上げていましたが、ネット時代になってやっと世間が追いついたのかもしれません(笑)」(女性週刊誌の編集者)

 最近のお茶の間で長嶋一茂がウケている理由を芸能リポーターの川内天子氏はこう語る。

「もともと長嶋茂雄さんの息子ということでバラエティーに出始めた頃からブランド力は抜群でした。そんななか、元女優との落書き騒動で一気に株を上げたのです。相手に対して怒ったり、厳しい態度をとったりするわけでもなく、淡々と大人な対応に終始した。視聴者は単なる天然キャラの二世タレントだと思っていたのが『我慢強い常識のあるまともな大人』だったのです。テレビ業界では、昔から一茂さんは『視聴率を持ってる』として重宝されていましたが、今後はさらに仕事が増えていくでしょう」

 昨年はレギュラーの生放送を休んでまで7回もハワイに行ったと発言し、話題になるなど数々の“ボケ伝説”がある一茂。一方でそんな彼が繰り出すまっとうな意見もまた、世間には新鮮に映るようだ。今後も、忖度や常識からはなれてズバッと物言う逸材がテレビ業界に話題を振りまいてくれることだろう。(ライター・黒崎さとし)