前に「みんなと一緒にハワイに行きたい」って言うから、木梨憲武家、ヒロミ家、竹山家、勝俣家、長嶋一茂家、藤井フミヤ家で現地でお世話したんだけど、海行きましょうって誘ってもアッコさんは「海は嫌だ」、山に行きましょうって言っても「山はアカンねん、虫おるから」、買い物行きましょうよ「買いたいものないねん」、最終的にはヒロミさんが「ねえ、アッコ何しに来たの?」って(笑)。結局、夕日の美しさに感動したアッコさんが泣くっていうことがありました。

 僕らがテレビで「怖えー」とか「うるせー」とかガンガン文句を言うでしょ。あれ、本人は笑って許してくれてるんですよ。

「ネタにしてウケるならなんぼでもネタにせえ。お前らはそれが仕事や」って。

 そういうかっこ良さもあるし、実はご飯がうまくて礼儀作法にもうるさくて、家庭的な部分もある。僕が40歳ぐらいのときに箸の持ち方が悪かったから、「いろんなところに行って、テレビにも出るんだからお前の親までバカにされるで。それでええんか?」って言われて、直しましたよ。

 特にあいさつは厳しくて、「損なことは一つもないんだから、あいさつしとけ」とよく言われます。アッコさんも自分より先輩の人と番組で一緒になるときは、楽屋にあいさつに行っているし、「おまかせ!」に初めて会う人が出るときは事前にマネージャーに「どういう振りをしたらこの子はしゃべりやすいの?」って相談して、勉強してますよ。

 俺が週刊誌に載ったときは、「かみさんに迷惑かけるな。お前がやらかしたことはお前が悪いけどかみさんに迷惑かけるのは最大の罪やで」って生放送で謝罪する場をつくってくれました。

 怒られることもあって、正直「うるせーな」と思うこともあるんだけど、実は優しくて、根本はみんなアッコさんのことが好きなんですよね。50年も芸能界の第一線にいる人ってなかなかいないし、もちろん大先輩なんだけど、自分の姉貴とか母ちゃんの妹のような身内感覚がありますよね。母ちゃんの妹がたまたま芸能人だった、みたいな感じです。「アッコの犬」みたいに思われるのも嫌だなと思ったこともあるけど、それを超えているんですよね。だって身内だから。表立って「好き」とは言わないけど、本当の家族みたいなんですよ。

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機嫌がいいときの見分け方