W杯初ゴールを決めた乾貴士 (撮影・六川則夫)
W杯初ゴールを決めた乾貴士 (撮影・六川則夫)

 ロシアW杯のグループステージ第2戦が6月24日に行われ、エカテリンブルク・アリーナでセネガルと対戦した日本は、2度のリードを許す苦しい試合展開だったが、乾貴士のW杯初ゴールと、本田圭佑の3大会連続となるゴールで2-2の引き分けに持ち込んだ。

 この結果、ともに勝ち点4ながら、警告数の少ない日本が1位、セネガルが2位は変わらず。同日の現地21時から行われたコロンビア対ポーランド戦は、コロンビアが3-0で今大会初勝利をマーク。2連敗のポーランドはグループリーグ敗退が決定した。

 W杯初ゴールを決めた乾だったが「もちろんうれしかったし、うれしかったのもあったんですけど、もうちょっと2点目取るチャンスがありましたし、あの1点に満足していません」と冷静に分析した。

 それもそのはず、「30歳でW杯が初めては遅いかもしれないし、自分の実力はわかっているので、(W杯に)出られるとは思っていなかった」からだ。

 W杯そのものも、14歳だった2002年の日韓W杯は熱心にテレビ観戦したが、その後のW杯は「見たことがなかった」という。今大会のメンバーに選ばれたことで、「2002年以来、毎日3試合やっているのでいろいろな発見があるので見ていて楽しい」と観戦をエンジョイしているようだ。

 W杯初戦のコロンビア戦は、相手とのリーチの差に苦しみ、得意のドリブル突破は通じなかった。しかしセネガル戦ではきっちりと修正し、長友佑都とのコンビで左サイドから何度も相手ゴールを脅かした。

 そして0-1で迎えた前半34分、「佑都くん(長友)が上手く裏に抜け出してくれて、トラップが悪くて自分の方に来た。最初はスルーするかどうするか迷ったんですけど、あの角度では佑都くんも打てないと思ったので、得意な角度だし、思い切って打ってみた」ところ、シュートは鮮やかな弧を描いて右下に突き刺さった。

 しかし冒頭でも書いたように、後半20分、大迫勇也からのヒールパスをペナルティーエリア左で受けてフリーで放ったシュートはクロスバーに阻まれた。「後半の2点目を取るチャンスに決めないと、ああいう形(再びリードを許す)になってしまうので、そういうところでは迷惑をかけてしまった」と反省の弁が続く。

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