スピード、ボディバランスなどあらゆる面で身体能力の高さが際立つセネガルだが、欧州リーグの第一線で活躍する選手を揃えた今大会は、チームとしての規律も取れているだけに「穴」がないと評されていた。だが、450回を超える日本のパスは、欧州リーグで活躍するセネガルのスター軍団を翻弄した。

 試合後のインタビューで、「本音をいえば今日決めたかった」と漏らした本田。

「本田はロシアのチームに約4年、いたのでこのワールドカップを自分の集大成と思って臨んでいるのでしょう。香川、大迫の動くは悪くはなかったが、決めきれなかった。西野朗監督が香川から本田に変えたタイミングは絶妙。ただ采配の面では、途中交代は宇佐美(貴史)ではなく武藤(嘉紀)のほうがよかったのではないでしょうか」(上野氏) 

 結果は引き分けだったが、強豪に対峙できるサムライブルーの強さが随所に見えた試合だった。

 コロンビア戦と同様、渋谷のサポーターたちも盛り上った。

 スポーツバーで観戦した会社員の男性はこういう。

「2-2で追い付いてよかった。負けなくてよかった。本田はやっぱりすごいわ」

 コロンビア戦でゴールを決め、「半端ない」と一躍有名になった大迫コールが一番、すごかったという。

 だが、途中で何度かシュートするも外し、画面がリプレイされる度に「ああーー」と落胆する声が店内に響いた。

 セネガルが2点目を決めた時のプレーに対し、至るところから「うまい」「すごい」と称える声も漏れた。

 最後、本田のシュートが決まった瞬間が一番、盛り上がり、ビールをぶちまける人もたくさんいた。

 試合後、渋谷のスクランブル交差点近くでは、ハイタッチする人、肩車する人、旗を降る人で溢れ返った。警視庁の機動隊員も出動し、「DJポリス」も登場。「歩道に上がりなさい」などと注意する場面もあった。(AERA dot.編集部 福井しほ 井上和典 森下香枝)