被害者の尊厳を認めないで見下しているような自治体は、被害者の住所を漏らすことがどれほど危険なことなのかを認識していません。その考えを改めて体制を変えない限り、さらなるA子さんや逗子市のケースを作り出してしまいかねません。住んでいる自治体によって被害者の扱われ方が違うということはたいへん残念なことです。たまたまその地域に住んでいたために、幸・不幸がわかれてしまうなんて、あってはならないと思います。

 さらに調査では4割に当たる16自治体が「至急、手順を全国で統一する必要がある」と答えていました。弁護士など代理人には依頼者の提示を義務付けるなど、運用のルールを国が提示することで、より多くの被害者の命や生活を守ることができるはずです。

 DVやストーカー・虐待の被害の問題は、自分には関係ないと考える方も多いかもしれません。「住民票支援措置制度」についても、初めて知ったという方も多いでしょう。まずはこのような現実を知っていただき、被害者の抱える恐怖や不安、困難等の問題を知っていただけるきっかけになればたいへんうれしいです。(一般社団法人エープラス・吉祥眞佐緒)