イケメンじゃないケンコバが「隠れモテ芸人」認定の理由 (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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イケメンじゃないケンコバが「隠れモテ芸人」認定の理由

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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ケンドーコバヤシ (c)朝日新聞社

ケンドーコバヤシ (c)朝日新聞社

 しかし、ケンドーコバヤシは見た目に清潔感があるし、話すときの態度も堂々としている。余分な焦りや迷いが一切ない上に、話している内容も面白いので自然に引き込まれるのだ。

 ケンドーコバヤシはどんなときでも決してあせらないし、必死にならない。自信満々の態度で悠然とボケを放つ。いつも自分のペースを保っているケンコバの立ち振る舞いからは、「モテたい」という欲望や「笑ってほしい」という卑屈さが全く感じられない。

 彼は自分が面白いと思っていることに揺るぎない自信を持ち、それを真っ直ぐに表現しているだけなのだ。こういう芸風を理想として掲げている芸人は多いが、それを文字通り本当に貫き通せる芸人はほとんどいない。ケンドーコバヤシの態度から人としての器の大きさが感じられるからこそ、人々は安心して彼の芸で笑うことができるのだ。

 女性から見たときの彼の魅力は、全体から男らしい色気が漂っていることだろう。髭や髪型はいつも整えられていて清潔感がある。声は落ち着きのある低音で、立ちふるまいも堂々としている。どぎつい下ネタを放つ豪快さはあるものの、共演者に対する態度はきわめて紳士的だ。総合的に見れば、女性からの好感度が高いのは決して不思議なことではない。

 大阪で活動していた若手時代の彼は、芸人には好かれるが一般客には人気がないマイナーな存在だった。理想とする笑いだけをストイックに突き詰める姿が、ごく少数の熱いお笑いファンには支持されていたが、一般層からは敬遠されていたのだ。

 だが、芸人としての経験を積んだ今ではその人気も揺るぎないものとなっている。新しくできた彼女とのゴールインも近いかもしれない。(ラリー遠田)


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ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・ライター、お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)、『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)など著書多数。近著は『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)。http://owa-writer.com/

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