私には合コンを主催する際のゆるぎない持論があり、「ブス、デブでつるまないこと」「自分の周りには常に美女軍団を配すること」。なぜかといえば、ブス・デブ同志がかたまりになると、ブスデブ強風ハロー警報が発令される。もはや、その集団自体が周囲からは「ハリケーン・ブス」としてしか認識されなくなるからだ。私のようなものが同じ種族を集めることは非常に危険な化学反応を呼び起こし、アメリカでは「ジャバザハット相乗効果」と呼ばれる有名な現象が起こる(←ウソです)。一方、ナイスバディ美女を呼び寄せてその中に混じると、これは外目からは「美女軍団」として認識され、私のことですら「この人ちょっと個性キッツイけど、これもある種の美人の進化系形なのかもしれない」という錯覚を与え、いわゆる「「ビューティーアクセント」として活躍できるのだ。これぞ、一億総活躍社会ではないか(違うか)。いわば、ボロボロの中古車が汚い軽自動車や同じようなボロ車で集まっていたら、「ポンコツの墓場」としか認識されないが、高級車の中に一台混じっていることにより、「これはもしかして、目利きがみれば飛びつくようなとんでもないビンテージカーかも!?」という錯覚を与えるのと同じことである。しかも「ナカセ幹事の合コンは美女揃い」という評判がたてば、集まる男性のレベルも必然的にランクアップするというオマケつき。この世界も信用一番、なのだ。

 そしてこの「ビューティアクセント」理論の先駆者はジャニー喜多川さんではないかとひそかに思っている。イケメンの中にひとりクセメン(癖のある顔面の人)を入れてグループ全体を引き締め、最終的にはクセメンをも個性的なイケメンに見せてしまう、引き上げ効果をばっちり使っているのがジャニーズのメンバー決めなんだと勝手に推測しているのだ。

……というわけで、昔とったシノヅカならぬキネヅカで、「ナカセジャパン」再結成。そこでこの目くらましにひっかかった(?)男たちと次々とデートする、という「デート千本ノック方式」で、週末はとっかえひっかえ魅力的な独身男性とのデート三昧に突入することにあいなった。(中瀬ゆかり)

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中瀬ゆかり

中瀬ゆかり

中瀬ゆかり(なかせ・ゆかり)/和歌山県出身。「新潮」編集部、「新潮45」編集長等を経て、2011年4月より出版部部長。「5時に夢中!」(TOKYO MX)、「とくダネ!」(フジテレビ)、「垣花正 あなたとハッピー!」(ニッポン放送)などに出演中。編集者として、白洲正子、野坂昭如、北杜夫、林真理子、群ようこなどの人気作家を担当。彼らのエッセイに「ペコちゃん」「魔性の女A子」などの名前で登場する名物編集長。最愛の伴侶、 作家の白川道が2015年4月に死去。ボツイチに。

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