前述した通り、打線は悪くない。主将の坂本勇人が打率.335で首位打者争いを続け、得点圏打率.429と相変わらずの勝負強さを見せれば、若き大砲・岡本和真が坂本を上回る打率.339、得点圏打率.348、ベテランの亀井善行も打率.317、得点圏打率.468と好調。チーム打率.249、536得点(1試合平均3.75得点)だった昨季から、チーム打率.268、272得点(1試合平均4.53)と進化した。だが、問題は多くある。新4番として期待されたゲレーロが得点圏打率.221(打率.253)とチャンスで打てず、昨季リーグ2位の打率.315をマークしたマギーも、今季は打率.268で得点圏打率.224。5月下旬まで不動の2番だった2年目の吉川尚輝も守備、走塁面では貢献も、打率.223、得点圏打率.214とバットでは物足りない。

 幸いなことは、首位とのゲーム差が、まだ「6」であるということ。今後、菅野に続く“2人目”を確立できるか。大城卓三、田中俊太のルーキーコンビの勢いを活用し、2軍で調整を続けるヤングマンを昇格させるなどの外国人の入れ替えも行いながら、チームを活性化できるか。勝負の就任3年目を迎えている高橋由伸監督が、自身の采配で投打を噛み合わせることができれば、まだまだ浮上の芽はある。このまま広島に走られるのは、球界の盟主としてのプライドが許さないはずだ。