巨人・高橋由伸監督 (c)朝日新聞社
巨人・高橋由伸監督 (c)朝日新聞社

 巨人が、もがき苦しんでいる。開幕2カード連続勝ち越しの後に6連敗。4月20日からの8連勝で息を吹き返し、5月18日には貯金4の2位で打倒カープの一番手として名乗りを上げたが、翌19日から1勝6敗と後手を踏んで交流戦開幕を迎えると、その交流戦でも3カード連続の負け越し。6月8日の西武戦ではエース・菅野智之が「山賊打線」の前に5回5失点(自責点4)でKOされ今季ワーストタイの借金5を背負い、6月以降では2006年以来12年ぶりという最下位に転落した。その後に3連勝を飾るなど再浮上の気配を見せてはいるが、まだまだ“苦しさ”の中での戦いが続いている。

 6月13日終了時点で、チーム打率.268はリーグトップ、272得点はリーグ2位。チーム防御率3.87もリーグ3位と悪くない。だが順位は首位と6ゲーム差の5位。ひとことで言えば、「投打が噛み合っていない」ということになる。その“噛み合い”は接戦での勝敗に如実に現れ、首位を走る広島が今季の1点差ゲームで13勝6敗と勝負強さを発揮しているのに対し、巨人は1点差ゲームが5勝11敗と大きく負け越している。

 リリーフ陣がピリッとしない。守護神のカミネロが防御率4.50で、期待された澤村拓一(防御率3.71)、上原浩治(防御率5.40)の2人も不安定。マシソンは防御率1.53だが、34歳となって球威の衰えを疑われるシーンが散見され、16年に11.03、17年も10.40だった奪三振率が今季は8.15と低下している。

 先発陣も不安定だ。エースの菅野智之が6勝を挙げているが、開幕2試合連続炎上が響いて現在4敗。4完投の山口俊も、勝敗は5勝5敗で貯金を作れていない。その他、飛躍が期待された田口麗斗が2勝3敗、防御率4.76と不振。FA加入の野上亮磨(4勝4敗、防御率5.07)、加入2年目の吉川光夫(3勝3敗、防御率5.36)の2人も救世主にはなれず。メジャーで大活躍中のマイコラスの穴を埋められていないのが実情だ。

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岡本がブレークするなど打線は好調